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滝の下で。

滝の下で。_f0045982_19584990.jpg屋久島で滝の魅力に目覚め、以来、滝目当てで出かけることもあるほど滝フェチになりました。有無を言わさない絶対的な強さがあって、“自然の前で人はなんてちっぽけなんだろう”というのをいつも感じます。今日は関西在住のくせに初めて、箕面の滝へ行きました。さすが、名だたる滝ですね! 想像以上の激しさ、たくましさに見惚れてしまいました。滝壺に勢いよく落ちる水が風を起こし、淵の緑がたなびくほど。運良く天気雨がやんで、しめやかに濡れた緑もとても美しくて。急な坂道のためサンダルで足をすりむいて痛かったけど、来てよかったと心から思いました。

読み終わったばかりの、三島由紀夫『豊饒の海(二)奔馬』には鮮烈に情景が浮かぶ滝のシーンがあります。恋に身をやつし命を落とした青年が、死に際に友人に言うのです。「又、会うぜ。きっと会う。滝の下で」と。19年後、輪廻転生を果たした青年と言葉通りに滝の下で出会います。滝にはそんな不思議な力がある、どこか別の世界につながってるような。立ち上がる水しぶきを見るたび、引き込まれそうになります。
(orange99)
by ichinichisya | 2006-06-30 20:47 | 旅のはなし


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