人気ブログランキング | 話題のタグを見る

大山崎山荘美術館

大山崎山荘美術館_f0045982_041855.jpg今日はアサヒビール大山崎山荘美術館へ。まずは企画展の「三国荘展」へ。これは御大礼記念国産振興博覧会 におけるひとつの展示館、「民藝館」の博覧会終了後に、アサヒビールの初代社長がこの建物がなくなることを惜しみ、自邸に移設したそう。自邸の「三国」の地名から「三国荘」という名前になったのですが、その「三国荘」の、まさに民藝ワールドを展示するというもの。昭和初期の展示は、今見てもモダン。家具の細部が凝っていたり、ランプが小粋だったり、物のセレクトの仕方、コーディネート方法が面白かったりして、見所満載です。(~12月3日まで)

そして、今日行われていたワークショップ「見てる?視えている?~知らなかったあの絵~」に参加。

まずは、大山崎山荘美術館に所蔵されている、モネの睡蓮の一部をそれと知らされずに見せてもらい、「何に見えるか?どう見えるか?」を参加者同士で意見交換。その後、睡蓮の一部だったことが知らされ、睡蓮のほぼ実物大のパズルを作ることに。絵を正方形状に切り分けられると、一体どこの部分だかわからないので、参加者同士でお互いに持っているピースの色や柄がつながるか、また絵柄があったら、絵のどの位置に入る部分なのか?など、確かめていく作業を繰り返していくのです。スタッフの方の手を借りながら、何とか一枚のパズルが完成したら、「絵って見てるようで見てないところが多いんだ」ということがひしひしと伝わってきました。しかも、「花はこのへん」って思い込んでいたけど実は違ったということもあったりして、記憶ってあいまいなことが判明! そして最後は、本物のモネの睡蓮の前へ。パズルを組み立てる時は、下を向きながら、試行錯誤していて、視線は「下」だったのですが、絵を鑑賞する時は「視線は真正面」。だから睡蓮の場合だと、絵を下に置くことでリアル感が。はたまた真ん中にくるものが青緑色で塗りつぶされた空間だったので「一体何を描こうとしたんだろう?」という疑問も。それが目線の真正面にきたら、ぜんぜん違う見え方になって、「描きたいものは具体的な物質ではなくて、もしかしたら、その空間から醸し出されている”しっとりと落ち着いた雰囲気”なのかもしれないな~」と感じたり。それに近くで見たら、「結構適当に色塗ってる?」って思うけど、離れてみたら全体としてバランスが取れているんですよね。一枚の絵なのに、すごく不思議な体験。今回、「自分の目線」と「他人の目線=違う目線」を感じられて「色んな目線で見ること」の面白さを教えてもらったような気がします。(klokken)
by ichinichisya | 2006-09-24 00:24 | アートのはなし


<< 特別なお蕎麦 バランスボール >>